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また、生活概念の面でも大きな差異がある。
それぞれの習慣や意識面での特質は、両国の流通機構の形成に少なからず影響を及ぼしている。
米国の合理的な流通システムに対し、日本は小・零細商店の過多性や流通機構の多段階性、そして系列化政策などを特徴としてきた。
このように、日本と米国の流通機構を単純に比較することは難しい面がある。
だが、日米流通機構の本質的差異は、前述のとおり両国の卸売機構のポジショニングから見い出すことができる。
まず米国の流通機構は、経済性(低価格主義)を限りなく追求するコンシューマリズムによって、効率化を図ることに重点が置かれてきた。
大型の電気冷蔵庫が早くから普及した米国の家庭では、食料品の備蓄能力が大きく、毎日少量ずつ購買する行動は非合理的で習慣化しなかったと言われている。
その中で、買い物の合理性は消費者の“ワンストップーショッピング”のニーズを満たす小売業態の成長に表れている。
その好例は1930年代からのスーパーマーケット・チェーンの拡大に象徴されるフルラインーリーテイラーの出現である。
やがてスーパーマーケットーチェーンを筆頭に、多様なチェーンストアの広域網が構築され、米国の流通機構はシンプルなシステムに編成されていった。
この間、メーカーとチェーンストア本部の直接取引によって淘汰されていった卸売業は数多い。
一方、生き残った卸売業は、必然的にチェーンストアではない独立系の小売業を自らの存立領域に設定した。
換言すれば、米国の卸売業は消費者の購買代理機能を担うべく、独立系小売業へと接近し、パートナーとしての小売業と一体的な需要創造活動を展開している。
これに対し日本の場合は、戦後、大量生産技術の発展によって生産の集中化が進み、大量生産体制が確立された。
大規模化したメーカーは、大量生産に対応する大量販売方式によってシェア拡大を図るため、チャネル政策をマーケティングの主要戦略に据えて、販売網の整備を強力に推進してきたのである。
特に、卸チャネルの政策には特約店や代理店などの制度によって系列化を進めるメーカーが主流をなしていた。
これらメーカーの特約店や代理店としての機能を担う卸売業は今日でも多数存在する。
したがって、日本の卸売業はその多くがメーカーの販売代理機能を担うべく、メーカーに近い位置に介在しているのである。
すなわち、日米流通機構の今日的差異は、販売会社(商社を含む)など一部を除きメーカーに接近している日本、ブローカーなど一部を除き小売業に接近している米国、というところにみられる。
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